ご覧いただき誠にありがとうございます。
こんなに長い記事になると思っていなかったカベミミデザインズです。
さてさて後半の比較レビューは以下となります。
左が神奈川大学道用先生が公開しているDoyomodelのEASY.ver
右がfastモデル-typeV(慶應義塾大学看護医療学部FabNurseプロジェクトモデル)となります。
Doyomodelは共に穴あけパンチで穴を開けダボに差し込む方式を取っています。
試着した印象では額から距離がとってあり、シールドが顔に近すぎない開放感があります。加え、シールドとの隙間が広いため、曇りにくいのは強みだと感じます。
EASY.verは少し出力に時間が掛かりますが、装着感も良く、フレーム後方の輪っかに指をかけて開きながら装着すると耳の上に擦れる事無く、またフレームと頭の隙間に指を入れて広げながら外すという行為が不要なのが優れた点です。
頭に触れる事無く着脱可能というのは感染症対策として重要な点ではないでしょうか?
fastモデル-typeVは必要十分な機能を有しながら出力時間が圧倒的に短いモデルです。
数がとにかく必要!というオーダーがあった場合はまずはこちらのモデルを提案する事でしょう。
簡素ではありますが、十分な機能を有した秀作です。
最後にこちらの2製品。
左が支持者の多いメルボルン大学が公開している MSD Robotics Lab Current Version 3
右が武蔵野赤十字病院モデルルーペ改です。
メルボルン大モデルは唯一、フレーム断面が丸く、顔に触れる感触がとても柔らかです。
触覚のみであれば確実にナンバー1なのですが、こめかみあたりのホールド感に乏しく、ずり落ちてきてしまうのが致命的でした。しかし、メルボルン大の最大の武器は重ねた状態で複数プリントを可能にしている事だと思います。作成した人情報によると、24セットを19時間ほど放置状態で作れるとの事で、これに倣い阪大フレームもスタックプリントへ修正した有志の方がいらっしゃいます。良いところはどんどん取り入れてリファインを重ねていくのがこのプロジェクトの凄さだと思います。
武蔵野赤十字病院モデルルーペ改は樹脂使用料が多く、重く、出力時間も長いのですが、歯科医の方の要望を取り入れたスペシャリティモデルであり今回テストしてみました。実際ルーペを付けてテストした訳ではないので使用感は不明ですが現場での評価は高いとの意見をいただいているようです。歯科医様からのオーダーの際は迷わずこちらのモデルを提供しようと思っております。
以上が8モデル作成してのレビューです。
結果としては、阪大フレームのフィット感がずば抜けており、弊スタジオが供給しているFace shield_3.0簡易版 クリップ脱着式は選択としては間違っていないと確信が持てた形です。新たな発見としてFace shield_4.2サイドウイングタイプが想像以上に優秀で、今後のメインフレームになる可能性があります。
また、大量に必要としている現場へは、fastモデル-typeV(慶應義塾大学看護医療学部FabNurseプロジェクトモデル)の短いプリント時間がアドバンテージとなります。
また、武蔵野赤十字病院モデルルーペ改の特定の現場に向けた専用モデルという点は量産性は落ちるものの絶対に必要となるモデルだと感じます。小ロット生産がフレキシブルに可能な3Dプリンタープロジェクトですから、要望あらば応えていきたいとカベミミデザインズは考えます。
また、どのフレームが特別優秀かという訳ではなく、どこに重きを置いて、どのような場面を想定した製品なのかというのを理解する事が大切だと考えます。
現場のHELPに対して、どのフレームが最も適したものかを判断し供給するのも我々の務めではないかと考えさせられる機会となりました。
今後、大学の課題として学生に考えさせるのも良いテーマかもしれないな、と思ったり。
欲を言えば阪大フレームの断面を丸にし、顔に触れる感触をソフトに、また、Doyomodelを取り入れ、最後部を大きな輪っかにし着脱の際、顔に触れない形状とできれば最良となりそうです。積んで出力する際の張り付きも軽減できますし。
という事で、気が向いたら作ってみましょうかという感じですが。今は時間を無駄にせず、量産する事を優先していこうと思います。では、長々と失礼いたしました。ではまたー。